観光・遊び・買い物

旅順(地図と観光地案内)

旅順(地図と観光地案内)

大連市旅順口区

 歴史の教科書にも必ず登場する旅順は日露戦争の激戦地として日本では知られています。旅順は遼東半島の最先端に位置し、現在は大連市旅順口区として大連市のひとつの行政区です。総面積506km²、人口約26万人。大連市中心部からは約45キロ、黒石礁から約32キロです。

 旅順観光・ツアーについてはトラベル情報をご覧ください。

旅順の歴史

 天然の良港として知られていた旅順はかつては獅子口と呼ばれていました。多くの王朝、中国的な史観では異民族や朝鮮半島の高句麗などの統治を受けた時代を経て、1371年明朝の馬雲、葉旺が、旅順に上陸し、旅途平順の意味を込め獅子口を旅順口と改名します。これが現在の旅順の名の由来とされています。

 その後も旅順は、静かな漁村として歴史を刻みます。そんな旅順の歴史を大きく転換させるきっかけは、1878年清の北洋艦隊の根拠地となったことです。日清戦争後の下関条約により遼東半島の割譲が決定するも、三国干渉により返還。旅順と大連を含む遼東半島はロシアの租借地として近代の歴史の幕を開けることになります。

 1904年日露戦争の開戦の地となり、旅順口閉塞作戦、旅順攻囲戦などを経て、日露戦争勝利へ大きく貢献することになります。1905年ポーツマス条約により旅順、大連の租借権をロシアから割譲され日本の委任統治が始まります。

 1945年終戦後、ソ連軍が進駐し10年間の統治を経て1955年中国へ返還、ソ連軍は撤兵します。

 ソ連時代の1950年に旅順、大連に金州を加え旅大市と改名します。1981年に大連市へ再改名し、以降は大連市旅順口区となり現在に至ります。

外国人訪問の緩和まで

 旅順は古代から天然良港を活かした軍港としての役割を果たしてきました。それは現在でも変わりません。そのため、軍事上の関係で外国人の訪問を禁止してきました。1996年旅順の203(二百三)高地、水師営会見所など3箇所の観光地の訪問のみが認められました。そして、2009年12月に軍事施設以外の訪問可能地大幅拡大という解釈で外国人の訪問規制が大幅に緩和されました。

 なお、この間も特定の旅行社を通せば訪問は可能でしが、車での観光地と観光地のみの訪問で街中を歩いたりするような自由行動はできませんでした。

旧市街

中心広場

 旅順は大きく2つの市街に区分されています。新市街はロシア統治時代の建物が多くある地域です。その一方で旧市街は日本統治時代の建物が多い地域を指します。旧市街でもロシア時代の建物も存在します。一般的に白玉山を北に見て左側を新市街、右側を旧市街と呼びます。

旅順バスターミナル

 大連市内から到着するバスの駅です。旅順の中長距離バスの拠点です。

旧関東法院

旧旅順監獄

旧旅順赤十字病院

中心広場

 旅順一の繁華街です。大型ショッピングモール、ファストフード、カフェなど充実しています。

旧旅順民政署

旧電岩砲台

 清朝末期に設置され、ロシアが拡張したサーチライトを備えた砲台跡です。旅順口を見下ろせます。

東鶏冠山北堡塁

新市街

旧日本橋(解放橋)

 新市街と旧市街の境界に架かる橋です。橋脚、両側の欄干などは当時のまま残っています。

旧日本人街

旧関東神宮

 11か月足らずで廃社となった旅順、大連、旧満州国を含む旧関東州一の規模を誇る神宮でした。

勝利塔(旧朝日広場)

 1955年終戦10周年とソ連撤退を記念して中ソ友好の証として建てられた45メートルの塔です。

旧関東都督府

旅順蛇博物館

旧露清銀行旅順分行

 1902年施工のコバルト色が目を引く建物です。終戦前は千歳倶楽部と呼ばれていました。

旧関東軍総司令部

友誼塔

旅順博物館

旧満蒙物産館(旧図書館)

旧旅順ヤマトホテル

 1908年にオープンした歴史あるホテルです。1927年には川島芳子の結婚式なども行われています。

旧旅順高等公学校(旧旅順師範学堂)

旧粛親王邸

 川島芳子の実家、溥儀も滞在した邸宅です。元はロシア時代にホテルとして建てられました。

旧旅順中学校

旧旅順工科大学

白玉山周辺

白玉山塔(旧表忠塔)と清朝末期の大砲

旧表忠塔(白玉山塔)

旅順駅

 1903年開業の中国最古の駅のひとつです。多くの歴史上の人物たちが利用しています。

軍港遊園

旅順口

 旅順口閉塞作戦(黄海海戦)で有名な老虎尾半島がフタをするように迫る天然の要塞です。

203高地(爾霊山)

二〇三高地

その他の地域

老鉄山温泉

 日帰りでも、宿泊もできる温泉です。市内 友好広場から専用バスが出ています。

黄渤海境界線観光地区(老鉄山灯台)

ソ軍烈士陵園

 1908年に完成したロシア墓地を拡張しソ連兵なども埋葬した中国外国人最大規模の墓地です。

水師営会見所

 旅順開城について乃木希典大将とステッセル中将が会見をした建物を再現した場所です。

蛇島

世界和平公園

龍王塘

 5月の連休に桜祭りが開かれる桜の名所です。1924(大正13)年に完成したダムです。

今後の旅順

参考サイト
大連旅順口観光ネット
旅順口区(Wikipedia)
旅順観光(りょじゅんかんこう)
参考文献
『旅順歴史紀行―いま甦るセピア色の世界』 斎藤 充功 スリーエーネットワーク
『幻の大連』 松原 一枝 新潮社
『図説 大連都市物語』 西沢 泰彦 河出書房新社
『図説 満鉄―「満洲」の巨人』 西沢 泰彦 河出書房新社

旅順のアクセス / 地図

旅順の地図(Google Mapより)

タグ:

この投稿は 2011年2月27日 日曜日 11:08 PM に 観光・遊び・買い物, 旅行 カテゴリーに公開されました。

コメントをどうぞ

掲載日: 2011-02-27
更新日: 2012-01-15
クチコミ数: 0
カテゴリ
エリア