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ソ軍烈士陵園(旅順陣歿露軍将卒之碑)

ソ軍烈士陵園(旅順陣歿露軍将卒之碑)

ソ軍烈士陵園(苏军烈士陵园)

大連市旅順口区寺溝路
竣工 不詳 1908(明治41)年3月完成(ソ軍烈士陵園は1955年5月24日)
設計 旅順陣歿露兵遺骸合理委員会
施工 不詳
入場料10元 開門時間 不明

ソ軍烈士陵園(苏军烈士陵园)

48,000㎡と外国人墓地としては中国最大規模を誇っています。現在の形となったのは、1955年ですが、元は日露戦争で犠牲となったロシア兵を供養するために日本がロシア兵墓地として埋葬した場所です。その後、ロシア墓地を改葬して慰霊碑を建立することを決定し、1908(明治41)年3月に旅順陣歿露軍将卒之碑が完成します。碑は正門から見ると左奥にあります。
お墓の写真を撮るのは失礼な行動だと認識しているので、正直、気が引けます。しかし、歴史的な近現代史遺跡であり、また、日中ロにとって重要な場所だと考えていますので、心でお詫びしつつ撮影させてもらいました。

「旅順陣歿露兵弔魂碑設計図」

「旅順陣歿露兵弔魂碑設計図」

出典サイト 外交史料館に聞いてみよう!外交史料 Q&A

旅順陣歿露兵弔魂碑 後ろから

旅順陣歿露兵弔魂碑の裏側です。古写真を見つけることができないのですが、外務省に保存されている設計図と見比べると外観は変わっていないことが分かります。屋根の上の十字架に斜めに突き刺さっているような特徴ある形状です。ロシア正教の形式なのでしょうか。碑の四方壁には、薄くなっていますが、露兵弔魂碑の文字が読み取ることができます。

露兵之墓

旅順陣歿露兵弔魂碑の左奥や周辺にある日露戦争で犠牲となったロシア兵の墓。今でもはっきりと”露兵之墓”と読み取れます。

拡張されたソ連兵の墓

現在のソ軍烈士陵園はロシア墓地を拡張し、日中戦争、朝鮮戦争でのソ連軍人とその家族などの墓が1,323基、合計2,030名が埋葬され1955年5月24日に完成しています。
陵園内は日本が埋葬した日露戦争での犠牲者、日中戦争でのソ連軍犠牲者、朝鮮戦争で犠牲となったソ連空軍兵士、日中戦争から朝鮮戦争までの間に死去したその家族と大きく4つに分けられています。

ソ軍烈士記念塔

ソ軍烈士記念塔

訪れた約1週間前、2010年9月26日にロシアのメドベージェフ大統領がこの場所を訪れています。そのときに供えられた花輪が残っています。この記念塔の後に旅順陣歿露兵弔魂碑でも花を供えたようです。上記の旅順陣歿露軍将卒之碑の写真では風で左側へ飛ばされていましたが、去るときに中央に戻しておきました。
世界の要人が訪れた直後へ来たことなんて日本でも数えるほどしかないので不思議な気持ちになります。

メドベージェフ大統領の花輪

でも、後から写真を見直してみると反対でした。気づきませんでした。ごめんなさい・・・・・。
この日はメドベージェフ大統領訪問直後とあって、ロシア人と思われる人たちが多く、入り口の扉は鎖で閉じられていました。なんと中国人観光客も入場を断られていました。私も(管理者側がロシア人との感情的なトラブルを避けたいのか)断れたのですが、少し日本語ができる男性職員がおり、話をしたら、入場させてくれました。そのときに彼にいわれたのは、左手にロシア正教の小教会があるので、そこへは近づかず、写真も撮らないで欲しいと。確かに、左側にレンガの教会のような小屋があり、多くのロシア人と思われる人たちが出入りしていました。
参考文献や参考サイトを見ると、少し前ではあまり管理が行き届いていなかったことが分かります。今回のメドベージェフ大統領の旅順訪問が決まり、急いで整備したのかもしれません。

大連の歴史を知る価値ある建築物

ソ軍記念塔

ソ軍記念塔

正門を覆うように正面にあるのがソ軍記念塔です。元は大連市内、旧スターリン広場(現人民広場)にあったものを1999年に丸ごと移転させたものです。施工は1951年、完成は1955年、追悼文「永恒的光栄」は旧ヤマトホテル(現大連賓館)の会議室前の額の筆跡でも有名な作家、政治家でもあった郭沫若の筆記だそうです。

ソ軍烈士陵園において歴史的に価値があるものは2つあると思います。ひとつは日露戦争後に日本が作った旅順陣歿露軍将卒之碑です。そして、もうひとつはソ軍記念塔です。これらは大連の歴史を知る上で重要な建築物だと思います。

正門と案内図

正門

ソ軍記念塔に隠れて正面から全く見えない正門です。中へ入り右側の建物で入場料を支払います

ソ軍烈士陵園案内図

ソ軍烈士陵園の案内図です。

参考サイト
スラブ研究センター
外務省ホームページ(日本語)
(原创)沙俄墓山地车的博客
苏军烈士陵园大连翻译职业学院
参考文献
『旅顺口景观史话 苏军烈士陵园』 大连出版社

アクセス / 地図

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この投稿は 2011年4月30日 土曜日 11:59 PM に 観光・遊び・買い物, 観光 カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2011-04-30
更新日: 2013-02-08
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