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毛沢東や西太后も愛食した臭豆腐(最終回)

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夏の夜、大連の住宅街を散歩していると、そこはかとなく臭豆腐の匂いがする。あちこちの街角で串焼きとビールを出す屋台が出現するのである。臭豆腐は串に刺して焼くと強烈な匂いを発散するのである=写真①=。世の中には好き者がいるもので、こんな臭いものを良く食べられるなぁ~と感心するのであった。


毛沢東や西太后も愛食した臭豆腐(最終回) =写真①=

写真①

毛沢東や西太后も愛食した臭豆腐(最終回) =写真②=

写真②

 夏の夜、大連の住宅街を散歩していると、そこはかとなく臭豆腐の匂いがする。あちこちの街角で串焼きとビールを出す屋台が出現するのである。臭豆腐は串に刺して焼くと強烈な匂いを発散するのである=写真①=。世の中には好き者がいるもので、こんな臭いものを良く食べられるなぁ~と感心するのであった。
 日本にもクサヤとか鮒ずしを愛食する人々がいるがこれらはまだよい。ところが物の本によると、北欧のスエーデンではニシンを発酵した食品でシュールス何とかと言う世界で最高に臭いというものを食べるのだそうだ。臭豆腐も発酵食品であって、かの有名な臭臭博士の研究によると臭さのランキングでは世界で3番目ぐらいの食品であるそうな。臭豆腐は中国のどこでも食べられているそうなので、かなりの愛食人口がいることになる。かの毛沢東も若いころは長沙市の臭豆腐を愛食していたとのことだ。
 ところで、「臭老九」という言葉をご存知だろうか? 文化大革命のころ知識分子は「臭老九」と呼ばれ迫害されたのであるが、彼らは臭豆腐に似ているとして「聞着臭吃着香」(臭いが食べたら美味しい)と言われ、蔑視されていたのである。黒五類と言われた悪者分子は文化大革命の終盤には九類にまで拡大され、知識人はその9番目であって「臭老九」と名付けられたのである。「臭老九」の子弟は紅衛兵にもなれなかったのである。もうこんな言葉は死語になったと思っていたが、「臭老九」はちゃんと字引にも載っているではないか。最後には「老九不能走」と毛沢東が言い、知識人は救済されたのである。
 屋台の串焼きにした臭豆腐は食べないほうがよいと中国人に言われた。いかがわしいものも出回っているらしい。瓶詰めの臭豆腐が「王致和」というブランドで売られている=写真②=。臭いもかなりマイルドなので私も酒のつまみとして食べる。これを玉芸舎の常連達に食べさせたところ、ある物知り博士が言うには、この臭いは男性の性欲を高めさせるのだそうだ。そうだとすると、中国人はバイアグラと同じ効果を期待して臭豆腐を食べているのかな~と疑うのである。
 この話を懇意にしている中国人にしたら「そんなことはない。臭豆腐を好きな女性も多い」と反論された。そこで玉芸舎に来る女子大生に聞いてみたら、9人中5人が食べると言った。そういえば西太后も愛食していたそうだ。かの物知り博士の言は信憑性を欠く。
 挨拶
 今月号で2年間続けた食楽人生もこれにて〝做完〟と致します。ご愛読ありがとうございました。甚だ臭い話でこのシリーズを閉じ恐恐縮縮。呵呵!
      
                   食楽道人ことOkaさん

この投稿は 2011年8月2日 火曜日 10:19 AM に Whenever誌面コンテンツ, okaさんの食楽人生 カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2011-08-02
更新日: 2011-10-10
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