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遼寧師範大学国際教育学院院長 関 偉さん

遼寧師範大学国際教育学院院長 関 偉さん

「大切なのは、相手を尊重し、異文化を受け入れる態度。多様性に富んだ環境で、留学生は成長を」

 日本や韓国などの近隣からはもちろん、世界各国から留学生を受け入れている遼寧師範大学。今、〝アジアンパワー〟には世界が注目し、これからは中国への留学生も増えてくるはずだ。同大で留学生たちが学ぶ国際教育学院の関偉院長へ、大学の国際化や国際交流、異文化理解などを聞いた。
関偉(Guan Wei)さん
 2015年は遼寧師範大学の国際教育学院にとって、どんな1年だったでしょうか。

 2015年は規模の拡大や組織体制の強化、授業品質の向上などに取り組んだ1年でした。中国語をはじめとした教育や国際交流などの面でも、大きな進歩を遂げることができたと思っています。

 具体的な例を挙げると、どの様な成果が得られたでしょうか。

 学生や教員の活躍では、まずベトナムの留学生が遼寧省のスピーチコンテストで3位に輝きましたし、学内の教員評価でも当学院の教員が1位に選ばれました。研究面でも、国家級や省級で認められた成果が10あまりありました。

 国際交流も拡大した1年だったのではありませんか。

 その通りですね。特に日本との交流では、広島文化学園大学と短期の研修プロジェクトで合意に達し、北陸大学とは「2+2」の協力協定に調印しました。また、長い交流の歴史がある愛媛大学とも、共同で国際シンポジウムを開催し、より一層の交流強化を約束し合えました。これからは、これまでの交換留学に加え、愛媛大学からの自費留学も増えると思います。そのはか、韓国やロシア、スロヴァキア、パキスタン、モンゴルなどとの学校や留学機関とも、協力関係を築くことができました。

 この様な流れを受け、2016年はどのような展開を予定していらっしゃいますか。

 海外との交流や協力、留学生の増加は、大学の国際課にとって重要です。たくさんの留学生に来ていただくため、奨学金を増やし、留学説明会などにも積極的に参加し、教育の質も高め、当大学を魅力ある留学先にしたいと思っています。ですので、2016年の目標は留学生の増加です。大学内で、留学生の比率を高めたいと思います。

 留学生には、どの様なことを学び、どの様に成長してほしいと考えていらっしゃいますか。

 中国語を学ぶだけではなく、中国の文化や伝統、中国に関する知識も身に付けてほしいと願っていますし、また、そうあるべきだと考えています。言葉以外にも、文化や考え方への理解を深め、異文化コミュニケーション能力を高めてほしいと思います。

 卒業後、留学生はどんな進路へ進んでいますか。

 中国との国際交流や貿易などを仕事とする卒業生が、やはり多いですね。経済や政治、文化、教育などの面で、知中派として、中国とかかわり続ける留学生を輩出できています。

 ところで、外国語や異文化を学ぶ意義は、何でしょうか。

 人としての成長だと思います。世界の文化に通じ、国境や民族、文化を超えて交流や協力を行え、国際的に通用する人材へと成長する1つの道が、外国語や異文化の習得です。留学生は世界各地から来ていますが、言葉は交流の土台です。他国の文化や歴史を知ることで、相互理解も深まります。このような多様性に富んだ教育環境は、学生にとっても刺激的です。

 異文化を受け止める上で、最も大切なことは何だとお考えですか。

 共通点を見出しつつ、異なる点は残しておく「求同存異」と「和して同ぜず」の精神です。つまり、相手を尊重する心を持ち、異文化を受け入れる態度が、最も大切です。

 では最後に、「国際的な人材」や「グローバル人材」とはどんな人材なのか、聞かせてください。

 備えるべき要素はいくつかあります。地球的な視野を持つことや、社会の多様性に対応できること、情報処理や外国語の能力、自分で考え抜く力、異なる文化や習俗、価値観などを尊重すること。国際化は競争でもあるかもしれませんが、ただ争うのではなく、相互依存や平和的発展も意識しておくべきですね。

  不仅是日本、韩国等近邻国家,辽宁师范大学还接纳来自世界各国的留学生。现在如同“亚洲力量”一般受到世界的关注,今后来到中国的留学生应该会增加。这次,我们采访了国际交流学院的关伟院长,向他咨询了大学的国际化交流及他对不同文化的理解。
  “2015年,在教育和国际交流方面,我们都取得了很大的成就。2016年,我希望可以增加更多的留学生,把我们这个有魅力的学院可以建设的更好。与外国的交流和留学生的增加,对大学的国际化发展十分重要。与不同文化接触时,怀着尊重对方的心情,能够接受不同文化的态度也很重要。我希望留学生们,在这个丰富多样的环境中,能够成长为国际性的通用人才。”

関 偉(Guan Wei)さん
 1959年11月、鞍山市岫岩満族自治県に生まれる。民族は満族。現在、遼寧師範大学国際教育学院の院長を務める。専門は地域発展や産業経済などで、大連の水質改善や北方沿海都市の農業現代化など、大型プロジェクトにも関わる。『地理学報』『地理研究』『自然資源学報』『経済地理』などでの論文発表も多い。博士。

インタビューを終えて
中国で感じる多様性
 中国は多民族国家だとは、日本にいる時から知識として知っていたが、それを実感したのは、大連でだった。大連に来たばかりのころ、いろいろと私を助けてくれた人が「中国には身分証明書があるんだよ」と、彼の身分証明書を見せてくれた。そこには「民族 蒙古族」とあった。その時、「民族」を肌で感じた気がした
 関偉さんも、満族だ。明るく気さくな関偉さんだが、その考えに触れながら、国際交流や人材育成、異文化理解に対して、熱い想いを感じた。やはり、相手を尊重し受け入れる開放性は、大切にしたい。

武井 克真

この投稿は 2016年1月21日 木曜日 1:34 PM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2016-01-21
更新日: 2016-01-21
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