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山口銀行大連支店 支店長 宇野 宏さん Uno Hiroshi

山口銀行大連支店 支店長 宇野 宏さん Uno Hiroshi
山口銀行の財満寛・専務取締役(右)、中国国際貿易促進委員会大連市分会の孫連運・副会長(左)と

「合同ビジネス商談会では、参加企業の熱意に圧倒されました。サポートこそが地銀の役割。いつでも気軽に、相談していただきたい」

 11月22日、「2015大連-地方銀行合同ビジネス商談会」が開かれた。日本企業119社と中国企業385社が参加し、商談件数は2111件。中国国際貿易促進委員会大連市分会と中国銀行遼寧省分行も、今年から協賛に加わり、過去最大規模となった。幹事銀行の支店長として商談会を成功に導いた山口銀行大連支店の宇野宏さんに聞いた。
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 まず、「2015大連-地方銀行合同ビジネス商談会」を終えてのご感想を、お願いします。
 
年は中国企業の数も商談件数も、昨年を大きく上回りました。参加企業の「何かチャンスをつかみたい」という熱意に圧倒されました。

 幹事銀行として、苦労された点などはありますか。
 
ケジュールの作成が最も大変でしたね。件数ももちろんですが、各企業のニーズを的確に把握し、より良いマッチングを実現させるのに苦労しました。数も大切ですが、「先に進められる商談」を重視しました。

 参加企業からの反応はいかがでしたでしょうか。

しい成果確認はこれからですが、山口銀行の取引先企業様ですと、アンケートで9点や10点が多く、満足していただけたと思います。「先に進められる商談ができた」という声も耳にでき、嬉しい限りです。

 商談会は今年で6回目でしたが、開催のきっかけや狙いは、何だったのでしょうか。

 海には「ものづくり商談会」がありますが、当初、大連にはその様な商談会がなく、地方銀行の間で、「大連でも何かやりたい」という気運が高まっていました。大連市対外貿易経済合作局としても、日本から中小企業を呼び込みたいという考えがあり、両者の方向性が一致し、開催が実現しました。

 これまでの商談会を振り返り、忘れられない成果や、印象的な変化はありますか。

 談会は、商売のきっかけをつかむ場でもありますが、最終的な目的は、中国での会社設立や、中国への投資増です。この意味で、実際に中国で会社を設立した参加企業もありましたし、新たな取引先を獲得した参加企業もありました。これらは、大きな成果です。

 変化はいかがでしょうか。

 前は、「中国から調達したい」「中国で協力工場を探したい」「中国企業に技術協力したい」という日本企業が中心で、また、その様な企業でないと、商談相手が見つからない傾向にありました。ですが最近は、「中国で販売したい」「中国でサービスを提供したい」という日本企業が増えてきました。以前は、製造業の参加が約8割でしたが、今年は製造業が6割を切り、食品やサービス業が大きく増加しました。インバウンド関連の出展も出てきました。

 他にも、感じている変化はありますか。

 国の消費者自身の変化です。以前は、名前の良く知られた有名ブランドにニーズが集中していましたが、最近は有名ブランドの商品でなくても、一定の品質を持っていることが認識されてきました。また、特殊な技術を必要とする商品や、地方特産品にも関心が向けられています。中国の大手バイヤーには、他社にないものを欲しがる傾向も見られます。

 このような変化は、中小企業にとっては、チャンスとなりますね。

 うですね。また、以前はやはり、「メード・イン・ジャパン」が絶対的な信頼を得ていましたが、日本企業が中国で製造した「メード・バイ・ジャパン」の商品にも、価格の手ごろ感もあり、信頼と注目が集まりつつあります。

 さて、年末も近づいていますが、2015年を総括するといかがでしょうか。

 年は、日本への中国人旅行者の増加や「爆買い」が耳目を集めましたね。大連でも「日本商品大連地区巡回展」「大連日本商品展覧会」「大連-地方銀行ビジネス商談会」など、日本企業と中国を結ぶ取り組みが、どれも大盛況でした。今後に期待が持てますし、消費に関しては、来年もこの勢いが続くと思います。

 最後に、中国進出を目指す日本の中小企業へ一言、お願いします。

 小企業は、経営資源の面で不利な状況に置かれていると思いますが、だからこそ、私たち地方銀行があらゆる面でサポートします。サポートこそが、大連支店の役割であり、存在価値です。どんなことでも良いので、まずは気軽に相談していただきたいと思います。

  11月22日,“2015大连-地方银行合同商务商谈会”召开,119家日本企业和385家中国企业参加,商业谈判件数达到2111件。中国国际贸易促进委员会大连市分会和中国银行辽宁省分行也参与协办,成为了过去的最大规模。这次,我们向担任组织者的山口银行大连支店长,咨询了将商谈会引向成功的理由和经验。
“商谈会上,参加企业都抱着‘不放过任何机会’的热忱态度压倒全场。今年的商谈会,商谈件数为过去最高。最重要的是,为了保证‘提前进行商业谈判’,制作谈判日程表时有些辛苦。回首今年,印象深刻的是去日本旅游的中国人变多了。我觉得明年也会保持相关的消费趋势。而对于中小企业的支持帮助,是我们地方银行的职责,无论什么事情我希望都可以找我们商量。”

【経歴】
 1962年、福岡県に生まれる。1986年、山口銀行に入行。外為や貿易の業務を営業店で10年以上、国際部にも3年半携わり、豊富な知識と業務経験を持つ。2012年1月に、支店長として大連へ赴任。大連では、大連日本商工会の理事や大連日本人学校理事長なども歴任し、現在は会計幹事も務めている。

インタビューを終えて
円熟味を増し、大連5年目へ
 宇野さんが支店長として赴任したのは2012年1月。この12月で大連勤務も丸4年。「1年目と2年目は手探りの状態、3年目に土台ができあがり、4年目には活発に動けるようになりました」と大連での4年を振り返る。今回の商談会は正に、「人脈や経験など、大連での全てを総動員した集大成の1つ」だった。
 今年は宇野さんたちのサポートで、4社が大連に会社を設立した。中国進出を考える企業には、「何でも聞いてほしい」と笑顔を見せる。また、中国人消費者に対しても、「日本商品を求める気持ちに、応えてあげたい」と語る。円熟味を増す大連の頼れる存在だ。

武井 克真

この投稿は 2015年12月18日 金曜日 5:04 PM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2015-12-18
更新日: 2015-12-18
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