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盛和塾大連理事長 大連ライオンズクラブ同心会会長 張 勇さん Zhang Yong

盛和塾大連理事長 大連ライオンズクラブ同心会会長 張 勇さん Zhang Yong

盛和塾大連の国際交流主席の趙燕萍さん(左)と事務局長の孫鴻環(右)と

「稲盛塾長の哲学は中国の企業人にも共通するのです」

  「経営の神様」と呼ばれる稲盛和夫さんが塾長を務める「盛和塾大連」が誕生して1周年を迎えた。大連の若手経営者らが、国境も政治も民族も超えて稲盛哲学を学び、経営者として人間として、さらなる高みを目指している。この集団をまとめているのが理事長の張勇さん。これまでの活動や今後の方向などについて聞いた。

  80歳の現在も経済界をリードする稲盛和夫さんが塾長を務める「盛和塾大連」が誕生して、今年10月で1周年を迎えました。大連での発足は国内外からも注目を集めましたね。

  昨年の開塾式には稲盛和夫先生も出席され、会場は900人もの参加者でいっぱいになりました。あれから1年、毎月1回の例会を開いて稲盛塾長の経営哲学を学んでいます。今年10月29日には稲盛和夫(北京)管理顧問有限公司の郭紅波副総経理を講師に招いて1周年の記念例会を開き、2年目のスタートを切りました。

  盛和塾は世界各地に60を超える分塾があり、7000人近くの人が稲盛さんの哲学を学んでいると言われています。大連の会員は何人いらっしゃるのでしょうか。

  盛和塾は若手企業家のための経営塾で、大連では現在、中小企業やベンチャー企業を中心とした総経理や董事ら経営のトップクラス130人が会員になっています。もちろん大手企業の経営者もいます。

  日本人の会員もいらっしゃるのでしょうか。

  もちろんです。約20人が日本人です。稲盛哲学には、企業や国境、民族の壁はありません。企業人としての王道を目指すものですので、もっと日本人のみなさんに参加していただきたいと思っています。そしていずれは専門部会を結成し、この中国でビジネスチャンスを広げていただきたいと願っています。

  張理事長は稲盛哲学のどこに惹かれて盛和塾に入塾されたのでしょうか。

  実は稲盛塾大連の創設者でもある友人の謝世晶さんから、手伝って欲しい、と頼まれて発会準備からかかわってきました。しかし、当時は積極的に活動するつもりもなく、まして理事長になるなんて思ってもいませんでした。しかし、稲盛塾長の哲学は中国の企業人にも共通するもので、その素晴らしさを知りました。「利他」という他人に尽くす考え方、さらには「都是老師」との謙虚な姿勢が、ひいては事業を成功へと導くのです。稲盛塾長はこれを「敬天愛人」と言う言葉で説いています。天を敬い、人を愛す、と言う意味です。これこそ人間として大切なことだと思います。

   ところで張理事長は、大連ライオンズクラブ同心会の会長も務められています。どちらの組織も理念に共通する部分がありそうですね。

  そうです。どちらも奉仕精神、他人を思いやる心を重んじています。例えば会社組織で考えると、経営者が社員に対して精神と物資両面の幸福感を与えれば労働意欲がわき、利益も上がる。全て良い方向に回転し、社会の発展にも貢献できると言う考え方です。

  それにしてもライオンズクラブ会長に加えて盛和塾大連の理事長の兼務は、忙しくて大変そうですね。

  私が所属している団体はまだたくさんあります。大連市青少年発展基金会副会長や大連市工業設計協会副会長、政協大連市委員会員などで、謝さんから「跡を継いで欲しい」と頼まれた時は、正直言って戸惑いました。それまでも忙しかったのに、重責の盛和塾大連理事長を引き受ければさらに忙しくなることが目に見えていました。しかし、ライオンズクラブの理念とも矛盾はないだろうと納得し、理事長職を引き継いだのです。案の定、毎日忙しくて満足に睡眠もとれません。ゆっくり寝ていたいと言うのが私の願いです。好きだったゴルフはこの4年間で2回プレーしただけです。

  最後に今後の盛和塾の運営、目標についてお聞かせください。

   稲盛哲学は曇りのない透明性にあります。塾もこの精神に則り、明朗運営を心がけています。また、塾活動を通して塾生の企業を発展させることを願い、ビジネスチャンスを生み出す塾生間の交流も活発に行う予定です。さらに、「利他」の考え方を実践するチャリティー活動にも力を入れて行きたいと思っています。

  由被称作「经营之神」之称的稻盛和夫先生所创办的「盛和塾大连」迎来了一周年。大连的经营者们跨越国境、政治、民族学习稻盛哲学。在这里我们就今后的活动和发展方向等问题采访了这个集团的理事长张勇先生。
  「去年的开塾式上稻盛和夫先生也出席了,会场参加者达到900多人。这一年来,每个月都会举办一次学习经营哲学的例会。稻盛哲学具有很强的透明性,盛和塾也秉持这一精神,用心地在经营。以后,准备通过更多的活动让学员们进行商务交流发现商机,促进他们企业的发展。还要以『利他』的想法做一些公益活动等。」

【経歴】
  1969年11月、大連市生まれ。大連市電子職業技術学院を卒業後、市大連商業大厦固電公司に入社、1998年に独立して貿易会社を立ち上げ、2009年に電子関連の欧谷創意産業集団を設立。2009年に大連ライオンズクラブ同心会の創設会長となり、2011年10月に発足した盛和塾大連の副理事長から今年4月に理事長に就任した。

【取材を終えての見出し】
中国の新しい企業家

   張勇さんとはライオンズクラブ同心会会長の就任時代からの知人であり、3年来の付き合いになる。自らの事業とともに、奉仕活動、福祉活動にも熱心に取り組む若手事業家のリーダーであり、行動力のすごさには感心させられていた。
   それに加えて今年からは盛和塾大連の理事長にも就任、企業経営の実践力と理論にますます磨きをかけている。「経営者の意識改革こそが世界の未来のためになり、企業を伸ばす」と語る張さん。中国には張さんのような国際的にも通用する、新しいタイプの企業家が生まれ育っていることを実感した。
猪瀬 和道

この投稿は 2012年12月21日 金曜日 6:41 PM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2012-12-21
更新日: 2012-12-21
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