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観光ガイドブック「美女が行く大連」 企画プロデューサー 全 洪さん quan hong

観光ガイドブック「美女が行く大連」 企画プロデューサー 全 洪さん quan hong

「ファッショナブルな大連を象徴するのが美しい女性たち。その女性たちに大連の魅力を巡ってもらいました」

 大連の魅力を紹介した観光ガイドブック「美女が行く大連」が大連市海外聨誼会から発行された。一般的な観光スポットだけでなく、グルメや隠れスポット、小旅行コース、働く女性たちも登場するユニークな内容。このガイドブックをプロデュースしたのが、知日派である全洪さんだ。発行の経過やコンセプト、そして今後の計画などについてインタビューした。
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――全さんがプロデュースを担当した日本語版観光ガイドブック「美女が行く大連」が発行されました。感無量でしょうね。

 「企画から印刷までわずか短期間で作っただけに、打ち合わせや取材、編集など大変でした。それだけに刷り上がった雑誌を手にした時は、まるで自分の子どもが生まれたように感動しました」

――いままでにないタイプのガイドブックです。反響も大きいのではないですか。

 「日中の旅行会社や航空会社、ホテルなどに置いてありますが、『大連の魅力を再認識した』『行ってみたくなった』などと、うれしい声が聞こえてきます。市政府のリーダーからも高い評価をいただいています」

――なぜ観光ガイドブックを発行したのですか。

 「今年は日中国交正常化40年ですので、友人でもある在瀋陽日本総領事館大連事務所の小谷悟副領事と『何か記念事業をしたいね』と食事をしながら話し合い、大連を宣伝するガイドブックを発行することにしたのです。それが今年2月末のことでした」

――タイトルもユニークですね。どのようなコンセプトで編集されたのでしょうか。

 「大連は近代的でファッショナブルです。それを象徴するのが大連の美しい女性たち。その女性たちに大連の魅力を巡ってもらおうと企画しました。それも意外と知られていないスポットも紹介して、いろいろな角度から大連を知ってもらうのが狙いです」

――制作にはどのような方々が参加されたのでしょうか。

 「スタッフは全部で20人ぐらいでしょうか。日本人留学生や中国人デザイナー、さらには美術教育で有名な第十五中学校の生徒もイラストを描いてくれました。みなさん一生懸命に協力してくれましたが、特にお世話になったのが小谷副領事。企画、構成から原稿のチェックなど、休み返上で協力していただきました。小谷副領事の力がなければ、このガイドブックは発行できなかったでしょう」

――ところで全さんは日本とのかかわりが深く、大連きっての知日家。日本の幅広い分野の方々と交流がありますね。

 「そうですね、日本とのかかわりは深いですね。1994年に外国人として初めて森ビルに入社し、大連の森茂大厦や上海の金融センターなどの建設に携わりました。この時は森稔社長(当時)の直接の指示で事業に取り組みました。また、大連市政府の駐日本経済貿易事務所の日本代表を10年間務め、日本の政界や財界、文化、芸能界の方々とも交流させていただきました。元経産大臣の二階俊博先生もそのお一人で、仕事だけでなく個人的にも親しくさせていただいています」

個人的にも親しい二階俊博元通産大臣

個人的にも親しい二階俊博元通産大臣

――全さんは現在、日本独資のIT会社総経理として日中ビジネスを展開されていますね。

 「会社は埃立森(大連)信息系統有限公司で本社は、東京のAIRISです。ホームページの制作やサイト運営、日系企業のカタログデザイン、制作などを手がけています。この観光ガイドブックの制作も弊社スタッフが参加してくれました」

――話は観光ガイドブックに戻りますが、今後も発行する計画はあるのでしょうか。

 「おかげさまで、早くも『次はいつ出すのか』といった声もいただいています。これからは経済や食べ物、文化、教育など個別のテーマに沿った雑誌を出したいと思っています。こうした活動を通して、中国と日本の相互理解がさらに深まることを願っています」

  介绍大连的观光刊物「美女去大连」由大连市海外联谊会发行。除了一般的观光介绍外,美食方面以及一些不知名但却很好玩的地方等都有介绍。此书的总企划是全洪先生,就发刊经过以及今后的计划等问题接受了本次采访。
  「 从企划到印刷的时间很短,工作量却非常多,做好的杂志拿到手里的时候,就像是自己新出生的孩子一样。托大家的福,已经听到『下次什么时候出刊呢』的声音。也听到了『很想去看看』这样高兴的声音,市政府的领导也给予了充分肯定,以后也想在经济、饮食、文化、教育等方面做一些专刊,希望促进和加深中国和日本的相互理解。」

【経歴】
 1962年、瀋陽生まれ。大連外国語学院日本語学部卒業。同学院教師を経て大連市政府系の大連国際信託投資公司に入社、国際金融部に配属される。その後、第一勧業銀行(当時)で短期研修、さらに東京学芸大の大学院を卒業して森ビルに入社。1996年から10年間は大連駐日本経済貿易事務所の日本代表として両国交流をサポートした。

【インタビューを終えて】
情熱が成果の原動力

 企画から構成、取材、編集までわずか5か月で発行にこぎ着けた「美女が行く大連」。これだけのボリュームと濃い内容のガイドブックを作り上げたことは、同じ雑誌編集に携わっている私にとって驚きでもある。その原動力が全洪さんらスタッフの情熱だろう。
 全さんは日本の社会でも知られた〝大連の顔〟であり、日本通でもある。そんな全さんの「両国が正しく理解し合えるように」との思いがガイドブックからも伝わってくる。時にはぎくしゃくとした関係になる日本と中国。全さんのような日本の理解者に感謝するとともに、今後も架け橋役として活躍されることを願いたい。
猪瀬 和道

この投稿は 2012年8月17日 金曜日 11:54 AM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2012-08-17
更新日: 2012-08-23
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