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大連旅順旅遊集団 董事長 鄒 賢明さん

大連旅順旅遊集団 董事長 鄒 賢明さん

 大連を訪れる日本人観光客の多くが足を延ばす旅順。日本人にとって旅順は日露戦争の代名詞であり、今年も年末に放送される第3回NHKドラマスペシャル「坂の上の雲」が〝旅順ブーム〟に拍車をかけている。これを機会に、二〇三高地など多くの遺跡を管理している旅順旅行集団管理長鄒賢明さんに今後の旅順を含め話

――2009年から放映されているNHKドラマスペシャル「坂の上の雲」で旅順がブームになっているようですね。

 「はい、日本人も含めた外国人の観光客が増えています。実は歴史的な史跡だけではなく、豊かな自然や美しい風景を楽しむための中国人団体旅行、韓国の旅行団も多くなりました。昨年9月のロシアのメドベージェフ大統領の旅順訪問もありロシアの旅行客も増えていますよ」

――ドラマ効果で日本人観光客への影響は感じられていますか。

 「今年は日本の東日本大震災の影響もあり、日本からの観光客は減っています。復興を願いつつ今後に期待していますが、2009年6月1日の対外開放による影響が大きいと思われます。これまで3か所の観光地のみへの訪問が可能だったのが、対外開放されたことで観光促進が進んでいます。開放は日本人だけではなく、すべての外国人が中国人と同じ場所へ行けるということです」

――それでは、開放という言葉を使わせていただき、開放後の現在でも日本人観光客が注意するべき点があれば教えてください。

 「軍関係施設、軍管理地へ近づいたり、写真撮影をしたりしないようにしてください。撮影禁止や立入禁止などの看板が立てられていますから、それを守ってください。軍人が立っている場所は軍関係、管理地ですので、軍人の撮影もしないでください」
――大連旅順旅遊集団はどのようなことをしているのでしょうか。ご紹介してください。

 「大連旅順旅遊集団は旅順にある主要な観光地を管理するために2000年に創業された国営企業です。中国を代表する観光地である白玉山景区、東鶏冠山景区や公園として整備が進む二〇三高地、中国を代表する旅順博物館、アジア最大級の爬虫類を展示する蛇博物館、老鉄山自然博物館など歴史的な遺跡を管理し、自然、レジャー施設などの魅力を広く伝え、民間企業の投資の促進なども行っています」

――都市型電車(軽軌)202路線の旅順までの延長工事が進んでいるようですが、これからの期待をお聞かせください。

  「202路線の旅順開発区までの延長と、河口までの地下鉄開通で旅順への交通が便利となり、旅順を訪れる人たちが増えることを期待しています。それに備えてより旅順を楽しんでもらうための大型商業施設や5つ星ホテルなどを整備していく計画です。また、旅順と瀋陽までの高速道路の開通により、旅順新港、大連空港、瀋陽までの輸送環境も整いつつあります」

――鄒さんは何度か日本に行ったことがあると聞いていますが、日本の印象はいかがですか。

 「日本には4、5回行っていますが、特に九州大分の温泉が印象に残っています。温泉設備管理やサービスの高さに驚きました。この経験を元に旅順で温泉リゾート開発を民間企業と進めていきたいと思います」

――最近の日本とのつながりといえば、2009年8月に二〇三景区に中日友好桜園が造園されて、桜祭りが開催されていますが、日本とのかかわりがさらに深まっていきそうですね。

 「そうですね、旅順の春の恒例イベントである桜祭りの会場を龍王塘から二〇三景区の中日友好桜園へ移動させて開催しました。二〇三高地には202路線の駅の開業や温泉施設なども計画しています。日本式の快適な温泉、皆で楽しめる施設、高いサービスなどを考えておりますので、今後ますます日本とのつながり、交流は深まっていくと思います」

――最後に発展し続ける旅順の今後の展望をお聞かせください。

 「今後、発展のスペードを速めて大きく変化していく旅順に私自身が一番ワクワクしています。日帰りが多い旅順を2、3日かけて楽しんでもらうための5つ星ホテルや総合レジャー施設などをオープンさせる予定です。そのためには民間企業の力が必要であり、私たちは旅順へより投資をしてもらえうためのプロモーション、支援へ力を入れて盛り上げていきます。現在、大連港へ到着する貨物船は数年内に旅順新港へ寄港するように航路変更されるなど、数年後には大きく変化した旅順を見ることが出来ると思います。どうぞご期待ください」

【Profile】
鄒 賢明さん

 1963年、遼寧省生まれ。遼寧行程技術大学(元阜新砿業学院)を卒業。趣味は球技全般、ランニングなど。

【取材を終えての見出し】
健康的な日焼けとスポーツ万能

 毎朝ランニングをしているという鄒さんの健康的な肌が印象に残る。ランニングは健康、メンタル面の安定、そして、街の様子の観察もできるから一石三鳥という。サッカー、バスケットボードなどスポーツ万能なためかキビキビとした快活な雰囲気で旅順の将来像を身を乗り出して話してくれた。
 前職の経験からか、経済開発から考えた観光という視点でも考えているようだ。「旅順から山東半島へ黄海横断トンネル調査も進んでおり、実現すると山東半島も経済圏となりますよ」という鄒さん。そのお話から、静かな港町のイメージが大きく変わるかもしれないと感じさせてくた取材でだった。
(丸田智隆)

この投稿は 2011年11月29日 火曜日 12:28 PM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2011-11-29
更新日: 2012-02-24
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