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海外・国内食品事業プロデューサー フレーバファースト代表取締役 福間 申二さん fukuma shinji

海外・国内食品事業プロデューサー フレーバファースト代表取締役 福間 申二さん fukuma shinji
福間 申二さん

「中国の料理人は社会的地位が低く見られています。日本人専門家の講師派遣、料理学校の設立、現地食材を使った商品開発などを手がけ、業界全体をレベルアップさせたい」

 料理人、フードプロデューサーとして、地元の岡山だけでなく、海外でも幅広く活動する福間申二さん。大連でも10年来のかかわりを持ち、日本食の普及に尽力している。最近も大連の日式カレー店の店舗づくりから商品開発、スタッフ教育にも携わった。その福間さんに日本食を通した日中交流などについて聞いた。

 国内外で料理家、フードプロデューサー、コンサルタントとして幅広く活動されている福間さんですが、大連でも日系飲食店のプロデュースをされました。どのような経過で手がけるようになったのでしょうか。

がお手伝いしたのは、大連久光百貨店9階に8月オープンした日式カレー店「可可家」です。日本の知人から「可可家」の開店に向け、共同経営者のお二人が協力を求めているので助けてもらえないか、との依頼がありました。その後、経営者の金成輝さんと周洪亮さんにお会いし、その人柄と前向きな姿勢に好印象をもち、開店まで短期間でしたが、お手伝いすることになったのです。

 大連は日系飲食店が多く、出店しやすい反面、お店間の競争も激しい地区です。どのようなコンセプトでお店をプロデュースされたのでしょうか。

さんと周さんのご希望は日式カレー店でした。カレーと言えば日本やインドなどの代表的な料理ですが、このカレーを中国の方々を含めた各国のお客様に喜んで支持される店づくり、メニューづくりを目指しました。

 「可可家」の可能性と課題について、どのようにお考えでしょうか。

営者お二人は飲食業界の専門家ではありませんでしたが、とにかく前向きでやる気も旺盛です。今後の取り組み次第では、大きく成長する可能性を秘めています。課題は従業員の資質向上のための教育システムを作り上げることです。言い換えれば、ハードとソフトの両面をいかに充実させることができるか、ということでしょう。

 ところで福間さんが大連にかかわりを持ったのはいつごろですか。

う10年ほど前から、かかわっています。大連で中国の友人、日本の知人との共同経営で焼肉店を出店しました。しかし、様々なトラブルが発生し、閉店してしまいました。その後は中国飲食企業のプロデュースコンサルタントとして、1か月に1回のペースで大連に来ています。

 世界各国で活動されている福間さんですが、アジアにおける日本食市場の将来性についてどのようにお考えでしょうか。

れまで私がお手伝いしたのは、中国をはじめインドネシア、ベトナム、マレーシアなどの13店舗に及びます。そこで感じたのが、日本食教育の重要性です。和食だけでなく洋食、和菓子など総合的な日本食の指導ができる職人を講師として派遣することや、商品やサービス、店舗づくりなど飲食業全般について学べる料理学校を設立することも、市場開拓につながることでしょう。

 アジアを含めて世界中で日本食がブームになっていますね。

かに知名度も上がり、各国に普及しています。それは日本食が健康的であり、ヘルシーであることでしょう。そして何よりも安心、安全な食材を使用し、調理法も丁寧で清潔であることに、各国の方々から支持されていると思います。

 最後に食を通した国際交流、特に日中関係についてお聞かせください。

国の場合、料理人の社会的地位が低く見られているのが現状です。料理人自身も向上心を持って、プロ意識に目覚めて欲しいですね。そのためにも、私は日本人専門家の講師派遣、料理学校の設立、現地食材を使った商品開発などを手がけ、業界全体をレベルアップさせるお手伝いをしたいと思っています。また、中国との関係では、日本食に対する料理人の意識改革を図るとともに、食に携わる者同士が親善を深め、信頼関係を築き上げたいと考えています。

  作为食品部的总负责人,在大连的10年来,福间申二先生一直尽心尽力的普及日本的饮食文化。这次我们向他询问了通过饮食文化来进行日中交流的一些想法。
  “作为中国饮食企业的顾问,我每个月来大连一次。我发现厨师的社会地位很低,让我有些感触。作为厨师,应该有一颗向上的心,也想让大家发现自己的专业意识。为此,我亲自从日本派遣专业讲师,设立料理学校,使用当地食材开发菜品,我希望可以为料理界的等级提升出一份力”。

【経歴】
1948年、岡山市生まれ。小川軒「コート・ダ・ジュール」、レストランテ「ローマ サバティーニ」、レストラン「サヴォワ」料理長、さえらグルメ事業部の部長兼総料理長を経て、1998年に洋菓子販売、パティスリー、カフェを運営する有限会社フレーバファーストを設立。食を通した瀬戸内ブランドプロジェクトにも参画している。

インタビューを終えて
料理づくしのプロ根性
 瀬戸内7県が手を結んで〝瀬戸内ブランド〟を確立させるプロジェクトの中核的存在でもある福間申二さん。瀬戸内シェフズサミットも成功に導き、企画プロデューサーとしても手腕を発揮した。
 そんな福間さんの趣味は、仕事と旅行して地元料理を食べること。休日も自分で食材を買って料理し、その料理に合ったお酒を飲みながらの食を楽しむことだという。仕事も趣味も休日もすべて料理。プロのすごさ、心意気を改めて知った。

猪瀬 和道

この投稿は 2015年11月25日 水曜日 1:00 PM に Whenever誌面コンテンツ, 巻頭インタビュー カテゴリーに公開されました。

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掲載日: 2015-11-25
更新日: 2015-12-22
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